オトニッチ

ニッチな音楽情報と捻くれて共感されない音楽コラムと音楽エッセイ

【おすすめの20冊】少し変わっているミュージシャン・アーティスト・音楽関連の本

ミュージシャンの書く本や、ミュージシャンが取り上げられている本って読み応えある本が多いんですよ。

それは、内容として興味深いということもあるけど「なんでこんなこと書いたの?」て思うようなこともあったりして。

正直、ファンでも読まない方がよかったかもしれない内容の本もあります。

逆にファンが読んだら辛くなるけど、ファン以外が読んだら楽しめる本もあります。

 

今回、ミュージシャンについてのおすすめできるようなできないようなよくわからんけど読んでみてほしい本を中心に紹介します。

 

目次

 

失われた愛を求めてー吉井和哉自伝 著者:吉井和哉

 

イエローモンキーのボーカルでもある吉井和哉の自伝です。

この自伝、綺麗ごとが書いてあるわけではないです。

ファンならむしろ知りたくなかったような情報も書いてあります。

そして、吉井さんは意外と波乱万丈な人生を歩んでいます。

 

不倫や女遊びをしていたことなども書いてあったりするので、もしかしたら嫌悪感を抱く人もいるかもしれないです。

でも、吉井和哉の音楽をより深く聴くには読んでおいた方が良いかもしれないです。

 

 

個人的にイエモンや吉井和哉には思い入れがあるので、このブログでも何度か取り上げています。

www.ongakunojouhou.com

 

 東京、音楽、ロックンロール完全版 著者:志村正彦

 

フジファブリックのフロントマンだったが、2009年に29歳の若さで急逝してしまった、志村正彦の本。

内容は公式サイトにかつて掲載していた日記をまとめたもの。

 

ただの日記ではあるんだけど、内容が生々しい。

体調が悪くて体重が40キロ台になりそう

バンドを辞めたいと思っていた

医者に仕事を休まないと数年後に死んでしまうと言われたということ

ポリープの手術のこと

スランプの時期があったこと

 正直、ファンは読んでいると辛くなることも書いてある。

実際に医者に死ぬといわれた日記を書いた数年後には亡くなってしまった。

 

フジファブリックに関しても当ブログで何度か取り上げている。

志村正彦は個性的でとても才能のあるシンガーソングライターだった。

 

www.ongakunojouhou.com

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 かけがえのないマグマ 大森靖子激白 著者:大森靖子

 

 大森靖子の自初伝と本人の歌詞解説が書かれている本。

 

幼少のころから現在までのことを本人が書いているのだが、文字が全部ピンク。

文字の間に隙間もなく、文字が詰め込まれているような感じ。

それなのに読みやすいのは大森靖子に文才があるからかもしれない。

 

しかし、この本も内容が生々しい。

小学生の頃に誘拐された話など、その後も少し荒れた生活を送っていた大学時代などについても書かれている。

一部のファンにはきつい内容かもしれない。

 

ハイブリッドレインボウ ザ・ピロウズ 著者:the pillows

 

 the pillowsの20年の歴史が詰まったバンドの歩みがわかる本。

怒髪天などピロウズと同じ地元だったバンドの売れる前の話も書いてあったりと、ピロウズとかかわりのあるミュージシャンのファンにもおすすめできる作品。

 

やはりこのバンドは波乱万丈だったのかなと思うとともに、こうした経験をしてきたから力強い音を鳴らせるのだろうと改めて感じられる本。

旅の途中 著者:スピッツ

 スピッツのメンバー4人のインタビューをまとめて、20年の歴史を時系列でわかりやすくまとめてくれている。

いまや国民的バンドで誰もが知るバンドだが、最初からうまくいっていたわけではないのだとわかる。

でも、売れていない時もそれほど悲壮感があるわけでもなく、それもスピッツぽさかなと思ったりする。

 

この本を読んでからロビンソンを聴くとより感動する。

 

ロビンソン

ロビンソン

  • スピッツ
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

 くるりのこと 著者:くるり

 

くるりの結成から現在までの歴史をまとめたもの。 

 大学在学中にデビューし、すぐに音楽的にも評価され、独自の地位を築いたくるり。

でも、様々な悩みやバンドとしての危機的状況がたくさんあったのだとわかる。

 

岸田さんはのほほんとしていそうで、かなりギリギリな精神状況で音楽を作り続けていたのだと知り驚いた。

かなり丁寧にまとめられており、読みごたえもある内容。

くるりファンはぜひ読んでほしい。

 

奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール 著者:渋谷直角

 

 これは直接は奥田民生が関わっているわけではないです。

でも面白いマンガです。

しかも2017年9月16日には妻夫木聡主演で映画化するらしいです。

監督は『モテキ』などの大根仁監督。

 

奥田民生に憧れる35歳のライフスタイル雑誌編集者・コーロキが、仕事で出会ったファッションプレスの美女・天海あかりにひとめぼれしてしまう恋愛漫画。

でも、普通の恋愛漫画ではなく、そんなにキラキラした話でもなく、どちらかというとどんよりした話。

 

正直、奥田民生はほとんど関係ないけど今注目の話題作なので読んでほしい。

 

 スカイウォーカー 著者:いくえみ綾 / 奥田民生

 

奥田民生を元にした漫画は他にもあったりします。

奥田民生の楽曲からイメージした物語が4編収録された漫画。

上で紹介した『奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール』とは違い、ほっこりする話が多い。

 

ページ数は少ないけども、何度も読み返せる手元に置いておきたい作品。

奥田民生ファン以外も楽しめる作品になっている。

 

フィッシュマンズ 彼と魚のブルーズ

 

 伝説のバンドといってもいいであろう、フィッシュマンズのデビューから最後にリリースしたシングルまでのバンドの歴史が詰まった作品。

1999年に急逝してしまった佐藤伸二を間近で取材してきた川崎大助氏がまとめた本。

 

書かれているエピソードから時代背景や佐藤伸二の人柄もわかったりと、面白い内容。

これを読んだ後にフィッシュマンズの楽曲を聴くと、今までとは違う曲の魅力に気付けるかもしれない。

 

 SESSION IN THE KICHEN 著者:伊地知 潔・金澤ダイスケ

 

 ASIAN KUNG-FU GENERATIONのドラマーでもある伊地知 潔とフジファブリックのキーボードの金澤ダイスケの2名による料理本。

何故かミュージシャンである2人が出版してしまった料理本。

 

しかし、意外としっかりした料理本である。

50種類も料理が載っており、本格的。

本格的ではあるが、実際に家庭でも作れそうなレシピが多い。

 

一人暮らしの人や主婦の人におすすめしたい1冊。

音楽ファンは買わなくていいっす。

 

桜井食堂 パスタ編 - 絶対失敗しない、ほんとうにおいしいパスタ編 著者:桜井誠

 

 Dragon Ashのドラマーである桜井誠さんも料理本出してます。

バンドマンはある程度の地位を築くと料理を極めたがる傾向があるのかもしれないです。

 

しかも、この人、ブログはほぼ料理のことしか書いてないです。

有名なシェフとも対談したりしています。

それだけあって、しっかりとしたレシピが書いてあり、料理初心者にもおすすめできる内容。

ロックファンは買わなくていいっす。

 

ロックフェスでは自ら『桜井食堂』という店名でフードコーナーにお店を出店するほど。

DragonAshが出演しないフェスでも桜井食堂は出店されていたりします。

 

でも、ドラゴンアッシュ、曲もライブもかっこいいからね。

 

www.ongakunojouhou.com

 渡辺淳之介 アイドルをクリエイトする 著者:渡辺淳之介・宗像明将

 

 BiSやBiSHやギャンパレの所属する事務所WACKの社長であり、マネージメントをしている渡辺淳之介の自伝的な本。

ぶっちゃけ、前半はただの渡辺淳之介の自慢話なので読む価値がないです。

中盤辺りからのWACKの所属アーティストの楽曲プロデュースをしている松隈ケンタやBiSの中心メンバーであるプー・ルイが出てくるあたりからは面白いです。

 

WACK界隈のアイドルや松隈ケンタの楽曲が好きな人には中盤以降はおすすめです。

 

新潟発アイドルNegiccoの成長ストーリーこそ、マーケティングの教科書だ 著者:川上徹也

 

新潟のご当地アイドルでありながら、今では全国で活動し人気を集めているNegiccoの成長物語からコトラーのマーケティング3.0を学ぶという、タレント本とビジネス書の間のような本。

 

実際にはNegiccoの結成からの成長ストーリーが中心の本だが、ところどころコトラーも絡んできて、それなりに納得できる内容で興味深い。

音楽やアイドルだけでなく、マーケティングに興味がある人にもお勧めしたい本。

 

ご当地アイドルの経済学 著者:田中秀臣

 

 上記で紹介したNegiccoもそうだが、地方アイドルや経済学者や経営学者に注目されているのだろうか。

 経済学者が地方アイドルによって地域活性化できるのかを考察している内容。

 

実際にアイドルのライブに行って現場を体感しているからか、考察もかなり本格的で説得力もある。

ビジネス書としてもしっかりとした内容の本。

 

アイドルになりたい 著者:中森明夫

 

 アイドルになりたい若い女の子のための本。

という触れ込みだが、アイドルに興味なかったり、アイドルを目指していない人が読んでも楽しめる本。

まったく難しいことは書いてなく、小学生ぐらいの子どもでも読めそうな内容。

 

でも、この本で伝えたい本質は”アイドルになる方法”ではなく、”人から好かれることの重要さ”を伝えている内容ではと感じる。

 

 ライブハウスの散歩者 著者:大槻ケンヂ

 筋肉少女帯の大槻ケンヂのコラム集。

日本全国にあるライブハウスについての思い出やそれにまつわるえぴーソードが書かれている。

ライブハウスに興味がなくても、文章自体が面白いのですらすらと読める。

読んでいると、本に登場するライブハウスに足を運びたくなる。

 

銀杏BOYZ写真集 純潔 著者:銀杏BOYZ / 村井香

 2003年の銀杏BOYZの結成から2014年の銀杏BOYZが峯田和伸1人になってしまうまでの11年を追いかけた写真集。

写真の1枚1枚が生々しく活動を記録していて、言葉がなくても銀杏BOYZがどのようなバンドかが伝わってくる。

写真を順番に観ているだけで、銀杏BOYZの歴史を追いかけることになるので、感動してしまう。

 

脱退してしまった元メンバー3人の近況写真も掲載されている。

4人の銀杏BOYZのすべてが詰まっているかのような作品。

 

松本隆対談集 風待茶房 2005-2015 著者:松本隆

 作詞家の松本隆の対談集。

大物ミュージシャンから音楽以外のジャンルの著名人との対談が収録されている。

谷川俊太郎や松任谷由実などの大物著名人やはっぴいえんどのメンバーであった細野晴臣や鈴木茂、大瀧詠一との対談も収録されている。

2005-2015の方には中川翔子など意外なタレントとも対談が収録されていて面白い。

 

あと、松本隆がアニメソングについて語っているところも興味深い。

 

 ロックンロールが降ってきた日

 個人的には最もおすすめした本。

現在までに3冊出版されているロックミュージシャンがいつロックに目覚めたかがモノローグ形式で書かれている本。

それぞれのミュージシャンにそれぞれ違うエピソードや想い、考えがあって面白い。

1冊ごとに15名前後のミュージシャンの話が掲載されている。

第1弾

浅井健一、大木伸夫(ACIDMAN)、加藤ひさし(コレクターズ)、甲本ヒロト(ザ・クロマニヨンズ)、セイジ(ギターウルフ)、チバユウスケ(the birthday)、仲井戸麗市、成田大致(黒猫チェルシー)、平田ぱんだ(the bohemians)、古市コータロー(コレクターズ)、真島昌利(ザ・クロマニヨンズ)、増子直純(怒髪天)、ムッシュかまやつ、山中さわお(the pillows)、ROY(THE BAWDIES)

 第2弾

りょーめー(爆弾ジョニー)、ビートりょう(THE BOHEMIANS)、志磨遼平(ドレスコーズ)、須藤寿(髭)、ホリエアツシ(ストレイテナー)、百々和宏(MO'SOME TONEBENDER)、マーヤ(N'夙川BOYS、KING BROTHERS)、TOSHI-LOW(BRAHMAN)、LOW IQ 01、横山健、吉井和哉、大木温之(The ピーズ)、石橋凌、早川義夫

第3弾

但野正和(最終少女ひかさ) ワタナベシンゴ(THE BOYS&GIRLS) のび太(WHITE ASH) 尾崎世界観(クリープハイプ) 小山田壮平 後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION) 山田将司(THE BACK HORN) 峯田和伸(銀杏BOYZ) 田中和将(GRAPEVINE) 中村一義 鈴木圭介(フラワーカンパニーズ) 曽我部恵一(サニーデイ・サービス) 草野マサムネ(スピッツ) 奥田民生(ユニコーン) 加山雄三(THE King ALL STARS)

 ごらんのとおり、そうそうたるメンバーだ。

とても読みごたえがある本。

3冊すべて揃えてほしい。

 

 インディーズアイドル名鑑

 これは、言い方が悪いかもしれないけども、グロテスクなホラー映画を観るつもりで、読んでもらいたい本。

色々な意味でショックを受けます。

地下の中でも深海に近いぐらいのとんでもない地下のインディーズアイドルが掲載されています。

カルチャーショックです。

色々な意味でヤバいです。

 

日常に強い刺激が欲しい人には読んでほしい1冊。

それ以外の人には冗談でもおすすめできない1冊です。

 

まとめ

おすすめできるような、できないような、不思議な本も入ってますが、音楽やミュージシャンがかかわっているからこそ面白みが出る本20冊かなと思います。

他にもミュージシャンや音楽にまつわる本には面白い内容のものが多いので、ぜひ読んでもらいたいです。