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PassCodeが新曲『Ray』で本気の勝負を仕掛けてきた<感想・レビュー>

ラジオでよく流れている

 

PassCodeの新曲を最近ラジオでよく耳にする。東京FMでかかりまくってる。『Ray』という新曲。

 

Ray

Ray

  • PassCode
  • ロック
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  • provided courtesy of iTunes

 

PassCodeはアイドルグループだ。BABYMETALやBiSHなどで一般的になってきた、所謂「ロックを歌うアイドルグループ」。とはいえ、ロック系アイドルでもラジオで楽曲が頻繁に流れることは珍しい。

 

PassCodeの過去の楽曲ではラジオで頻繁にかかることはなかった。それにも関わらず新曲の『Ray』が頻頻に流れている。それには理由があると思う。

 

『Ray』は今までのPassCodeの楽曲の方向性とは少し違うのだ。それでいて、PassCodeとしか言えない個性もあるのだ。

 

一言で言うと、今までとは違う意味で「勝負を仕掛けてきた」感じがする。

 

今までと違う方向性?

 

PassCodeはラウドロックと呼ばれるデスボイスがあったりと激しめのロックをやっている。その中でもピコリーモと呼ばれる電子音も取り入れた楽曲が中心だ。

 

現代のロックは多くの人に愛される大衆音楽でもあるが、その中では聴く人を選ぶニッチな需要を満たす音楽でもある。

 

bite the bullet

bite the bullet

  • PassCode
  • ロック
  • ¥250
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PassCodeはメジャーデビュー後も音楽性は変わらなかった。むしろよりマニアックな部分を突き詰めて行っているようにも感じる。

 

シングル曲の「bite the bullet」ではエフェクトの強めにかかったボーカルだ。序盤からデスボイスがある。それ以降も何度かデスボイスはある。その頻度も高い。

 

ラウドロックをやっているミュージシャンは男性が多い。ロックの中でも特に男社会のジャンルかもしれない。

 

そんな中、女性アイドルとしてラウドロックをやっているPassCode。それも話題作りのイロモノではなく、きちんとしたパフォーマンスで完成度の高い楽曲でやっている。だからこそ評価もされファンを増やしてきた。

 

それが強みでもあり、魅力でもある。その魅力を広めるためにもメジャーデビューしてもその音楽性を突き詰めて行ったのだと思う。

 

しかし、音楽性は好みが大きく分かれるラウドロック。一般的なロックやポップスよりも好んで聴く人は少ない。ラウドロックが好きな人にはPassCodeの存在は浸透してきているようにも思う。音楽性も以前よりも磨きがかかり、今の方向性としては完成形も見えて来ているように思う。

 

そんなタイミングで「次の一手」としての満を持して発表した曲が「Ray」なのではないだろうか。

 

『Ray』はなぜ聴きやすいのか?

 

 

「Ray」は今までPassCodeが発表したきた楽曲の中でも、ラウドロックやアイドルを聴かない人にも受け入れられやすい楽曲に感じる。

 

今までとは音作りが違うのだ。

 

ボーカルにエフェクトはかかっているが、それほど強めでない。デスボイスもあるが、過去の楽曲と比べると少ない。

 

演奏も今までの作品とは少し違う傾向がある。

 

PassCodeの特徴の1つでもある電子音は控えめ。その代わりにギターが全面に出て、ピコリーモと言うよりもギターロックに近い音作り。

 

過去の楽曲は「違う曲になったの?」と思うほど大胆な転調が多かった。それが印象的でもあり、面白さもあった。しかし「Ray」にはそのような大胆な転調はない。

 

これらのPassCodeの強みでもあり、好みみが分かれる部分が薄くなっているのだ。そのためラウドロックを知らない人にも聴きやすい曲になっている。

 

今まで以上に多くの人に届く曲になったため、ラジオでも頻繁に流れているのではと思う。『Ray』によってPassCodeに興味を持つ人も増えるのではと思う。

 

しかし、昔からのファンは「PassCodeが変わってしまった」「売れ線に走った」と思う人もいるかもしれない。それについては安心して欲しい。そんなことはないはずだ。

 

「Ray」は今までのPassCodeの歴史があったからそ生まれた曲ではと思う。

 

今までの集大成にも感じる

 

PassCodeはラウドロックを主にやってきたアイドルグループだ。しかし、それ以外の音楽もやっている。

 

ドリームメーカー

ドリームメーカー

  • PassCode
  • J-Pop
  • ¥250
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  • provided courtesy of iTunes

 

2016年に発表された「ドリームメーカー」はアイドルらしさも感じる可愛らしい曲だ。ラウドロックが主ではあるが、他にも様々な音楽に挑戦している。

 

インディーズ初期はギターロックに近い音楽性もあった。様々な音楽に挑戦した結果、今のPassCodeがあり、今の方向性があるのだと思う。

 

そして「Ray」は過去の経験を全て吸収した上で作られた曲ではと思う。

 

デスボイスもありラウドロックの成分もある。電子音は過去作と比べると控えめだが入っている。

 

アイドルソングのようなキャッチーさもあり、ロキノン系ロックのような若者を盛り上げるノリやメロディもある。

 

それらを組み合わせることで、PassCodeの魅力をわかりやすく表現できているのではと思う。「ラウドロックをやるアイドルのPassCode」ではなく「唯一無二の音楽性を持ったアイドルのPassCode」になったのではと思う。

 

だって「Ray」を聴いても音も歌もPassCodeだとすぐにわかるし、他には出来なそうな音楽に感じるでしょ?

 

PassCodeの今後は?

 

PassCodeはもっと多くの人に好きになってもらえるポテンシャルを持っていると思う。「Ray」はそのポテンシャルが今までの作品の中では最も持っているようにも思う。

 

もしかしたら、今後のPassCodeはより「多くの人に受け入れられやすい方向性」の曲が増える可能性もあるかもしれない。

 

しかし、そらはPassCode自体が変わるということではないと思う。変わったのではなく進化したからこそ、様々な方向性に挑戦できるようになったのだと思う。

 

PassCodeはアイドルではあるがメンバーの可愛さだけで伸し上がってきたわけではない。、音楽性やライブでのパフォーマンスも評価され、ここまで伸し上がって来た。高嶋楓は可愛いけども。

 

そんなグループなのだから、今後もファンや世間を驚かせたるような凄い曲を出して来ると思う。

 

「Ray」を聴いて自分が感じたこと。

 

それは、本気で多くの人にPassCodeを届けようとしているということと、PassCodeが進化を続けていること。そして、これからのPassCodeはさらにカッコいいグループになるのではということ。