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[ALEXANDROS]のKABUTOを聴いたんだけど、ドロス、どうしちゃったの?〈感想・レビュー〉

どうしちゃったの?

 

 [Alexandros] のメンバーにも関わっているスタッフにも言いたいことがある。新曲の『KABUTO』についてだ。「なぜこの曲をシングル曲としてリリースしたのか」と。どうしちゃったのと。選曲をミスっていないかと。これは商業的に大丈夫なのかと。

 

KABUTO

KABUTO

  • [Alexandros]
  • ロック
  • ¥250
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  • provided courtesy of iTunes

 

「KABUTO」はめちゃくちゃカッコいい曲だと思う。個人的にはここ数年のドロスのシングル曲では一番好きな曲だ。しかし、シングル曲として売れるとは思えない。実際、ここ数年で発売したシングルでは現時点で一番売れていない。

 

もしも自分がレコード会社の社員だったら違う曲をシングルにさせる。「ワタリドリ的なやつを作ってくださいよお」とかクソみたいなことを言って売上を考えたことを言って別の曲をシングルカットする。

 

ようぺいんにキュンキュンしてる女子に後ろから刺されそうなことを書いているが、落ち着いてほしい。

 

なぜこのようなことをいうのか。それは、明らかにここ数年のシングル曲と方向性が違うからだ。

 

メロディアスでキャッチーだったシングル曲わ

 

ドロスは疾走感がありつつもメロディがキャッチーな曲をシングルでリリースすることが多かった。近年はメロディアスでロック好き以外にも聴きやすい曲も増えてきている。

 

ワタリドリ

ワタリドリ

  • [Alexandros]
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

代表曲の「ワタリドリ」はメロディも一度聴けば覚えてしまえるようなキャッチーさ。最近はシンセの音も使ったりとメンバー以外の奏でる音も取り入れる曲も増えたが、ヒットチャート上位の他の曲と比べると異質なサウンドではあると思う。

 

 [ALEXANDROS]の曲はヒットチャートのJ-POPと、ライブハウスで活発に活動しているロックバンドの音をハイブリッドしたような音にも感じる。 そのサウンドに新鮮さがあり、ロックが好きな層だけでなく普段はロックを聴かない層にもドロスの音楽が届いたのではと思う。

 

明日、また

泣きじゃくるときが来たとして

怯えず笑えば

あなたは今まで以上に

強く在れる

 

上の歌詞は「明日、また」の歌詞だ。多くの人に届けるためか、最近は優しく語り掛けるような内容でメッセージを送る曲もシングルでリリースしている。「SNOW SOUND」のように切ない恋愛ソングで季節物の楽曲もシングルでリリースした。

 

SNOW SOUND

SNOW SOUND

  • [Alexandros]
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

ヒットチャートのJ-POPとしても違和感がなく、ロックバンドが鳴らす音としても違和感のない音楽。特にシングル曲ではそれが顕著な部分でもある。それは [ALEXANDROS]の特徴の1つでもあると思う。

 

 そのため、新曲の「KABUTO」はドロスのシングル曲としては違和感を感じる。 

 

過去のどのシングルにもない方向性

 



ここ最近のメロディアスでキャッチーな歌詞だったシングル曲と比べると全く違う方向性の「KABUTO」。歌よりも演奏が印象的だ。

 

歌が主役ではないようにも聴こえる。歌詞も全編英語。ドロスのシングルで英詞は初めてだったと思う。「ワタリドリ」のようにカラオケで多く歌われることは狙っていないのだろう。

 

そして、疾走感があってノリやすい曲ではない。ロックを感じる重いサウンドではある。しかし、縦ノリよりも横ノリの楽曲。じっくり聴かせるようなBPM。

 

演奏は特に歪んだギターの音が印象的だ。そして中盤に聴こえる不協和音気味のピアノも不気味さを感じるが印象的。より楽器の音を際立たせるためか、ボーカルの音が少し小さめにミックスダウンされている。

 

曲の構成からも歌よりも演奏が引き立つような構成になっている。

 

曲の後半は歌がなく演奏のみだ。その時間は1分弱。楽曲の長さは3分弱。曲の3分の1以上の時間は歌がない。

 

そして、その歌のない後半こそメインだと感じるほどキレキレの演奏。「KABUTO」で伝えたかったのはドロスの演奏力の高さと演奏のカッコよさだったのかもしれない。 

 

「どうしちゃったのか?」の答え 

 

「KABUTO」は今までの [ALEXANDROS]のシングル曲とは違う方向性だ。もしかしたら最近のシングル曲をきっかけにファンになった人たちの好みとはずれがあるかもしれない。もしかしたら今の多くのファンが求めているものとは違うのかもしれない。

 

売上を考えたら「KABUTO」の方向性は成功とは言えないかもしれない。キャッチーなメロディでもないし、歌詞も英語だ。ヒットチャートの音楽に混ざると違和感がある。

 

しかし、新しい魅力に気付いたファンもいるとは思うし「KABUTO」をきっかけ興味を持つ人もいるはずだ。

 

ドロスが今までとは違う方向性の曲をシングルにしたのはなぜか。どうしちゃったのか。その答えはドロスの演奏の魅力をファンにより伝えるためと、今までと違うアプローチで新しいファンを獲得するためではないだろうか。

 

個人的にはドロスのシングル曲では1番好き。

 

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