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ファンではないのにももクロの新曲『クローバーとダイヤモンド』に感動してしまった

10周年に相応しい曲

 

バンドと比べるとアイドルは活動期間が短いことが多い。特に女性アイドルは「若いうちにしかできない」というイメージもある。「若さ」や「かわいらしさ」も必要な賞場いでもあるからだ。

 

アイドルと言う職業ができていから、アイドルとして10年以上活動している女性アイドルは殆ど居なかったのではと思う。

 

しかし、その常識も崩れ始めているとは思う。perfumeは15年以上活動を続け今でも大きな会場でライブを行っている。Negiccoも新潟のローカルアイドルから全国区に広がり、活動15周年を迎えても活発に活動している。

 

そして、ももいろクローバーZも2018年で活動10周年になった。

 

この3組は紆余曲折ありながらも現在も第一線で活動しているトップアイドルだ。

 

ももクロは活動10周年を記念して初のベストアルバムも発売した。「桃も十、番茶も出花」というタイトルのベストアルバム。

 

「桃も十、番茶も出花」には新曲も収録されている。「クローバーとダイヤモンド」という曲。

 

この新曲がとても良い曲なんだ、不覚にも感動してしまった。一部の野蛮なモノノフが怖くてももクロから距離を置いていた自分もももクロを熱心に聴いていたわけではない自分でも感動してしまった。

 

この曲、あざといんだ。何もかもがあざとい。曲も歌詞も発表するタイミングもMVもなにもかもが。そのあざとさが最高なんだ。

 

MVがあざとい

 

 

「クローバーとダイヤモンド」のMVがとてもあざとい。あざとくて素晴らしい。

 

ももクロの世間的なイメージは「元気があって全力」「明るくて派手」などだと思う。少し子どもっぽいというイメージもあるかもしれない。

 

このMVに出てくるメンバーはそういった世間のイメージとは違う。大人っぽい白いワンピースでハイヒールを履いている。ヘアメイクやアクセサリも大人っぽい。ダンスや歌声も落ち着いている。

 

そこにはアイドルとしての「かわいらしさ」よりも女優のような「美しさ」を感じる。そのギャップに10年の歴史を感じる。

 

成長し大人っぽくなったメンバーの姿や、ダンスや歌でも繊細な表現ができるようになったメンバーの姿にファンは感動するのだと思う。

 

しかし、後半になると大人っぽい衣装からメンバーカラーも入った派手な衣装に変わる。映像もド派手な演出になっている。

 

メンバーは少し大人っぽくなった。しかし、昔から変わらない笑顔で楽しそうに歌っている。ももクロもこの10年で変わった部分もあると思う。それでも、根本の部分は変わっていないんだろうと思う。

 

変わった部分も、「変化」ではなく「成長」なのかもしれない。

 

今の成長したももクロを見せつつ、変わらないももクロも見せるMV。それを計算した上で感動させるき満々で作られたMVにも思う。

 

あざとい。こんなMV見せられたらグッと来てしまう。ファン以外でもグッと来る人がいるはずだ。

 

曲も歌詞もあざとい

 

曲もあざといんだ。完全に「泣かせにきている」楽曲。そのあざとさにまんまとハマって感動してしまう。素晴らしきあざとさ。

 

曲の前半は世間のももクロのイメージと違うと思う。「明るくて元気で全力」という楽曲ではない。

 

ももクロの代表曲はアップテンポだったり音数が多い楽曲が多い。しかし、この曲は音数が少なくスローテンポ。編曲ほジャジーで大人っぽい。そんな楽曲を見事に歌いこなすメンバー。

 

その歌声に聴き入ってしまう。メンバーの成長も感じる歌声。

 

歌詞もあざといんだ。今まで歴史を感じるような歌詞。そして、ももクロの10年は順風満帆なようで様々な苦労や努力があったことを感じる歌詞。それでいて未来への希望も感じる歌詞。

 

感動させることを狙ったようなあざとい歌詞に、まんまとハマって感動してしまう。

 

 曲の構成もあざとくて最高なんだ。曲の後半はメジャーデビュー曲の「行くぜっ!怪盗少女」がオマージュとして使われている。使われている部分は「笑顔と歌声で」という歌詞のフレーズだ。

 

そのフレーズから楽曲の展開が代わる。音数が増える。曲調もジャジーな編曲から打って変わり、明るいサンバ。大人っぽいももクロから楽しいももクロに変化する。

 

「行くぜっ!怪盗少女」はももクロのメジャーデビュー曲。デビュー曲のフレーズを10周年の楽曲に取り入れることで、ももクロの歴史はずっと続いているということを再確認する。そして曲調が代わり「明るいももクロ」を聴かせることで「ももクロは成長したけど変わらない」ということも実感する。

 

あざといことは大切

 

 「クローバーとダイヤモンド」は良い意味であざとい。ファンが求めているももクロの姿を見せることを「狙って」いるように思う。それと同時に世間のももクロに持っているイメージを壊して興味を持ってもらうことも「狙って」いるように思う。

 

あざといことによってファンを感動させることはもちろん、新しいファンも獲得できそうだ。

 

「あざとさ」はアイドルに限らず、長年活動しているアーティストは必ず持っているものではと思う。

 

例えば、2017年に結成30周年を迎えたスピッツもあざといことをしていた。

 

スピッツは結成30周年記念でシングルコレクションを発売した。その中には「1987→」という楽曲が収録されている。

 



タイトルからしてあざといのだ。「1987→」というタイトルはスピッツの結成した1987年を表している。矢印は「これからもスピッツは続く」ということを表している。

 

ファンはタイトルを見ただけで感慨深くなって泣いてしまう。ファンの自分はタイトルだけで泣いた。

 

MVもあざといのだ。活動初期の写真やライブ映像から始まり、だんだんと現在の映像になっていく。スピッツの30年の歴史を1曲のMVで感じるのだ。

 

曲や歌詞もあざとい。最初のギターのリフはインディーズ時代の「泥だらけ」という楽曲からの引用だ。この引用により、スピッツは成長したり変化した部分もあるが、根っこの大事な部分は変わらないことを表現しているのではと思う。

 

そして、歌詞も今までのスピッツの歴史や活動スタンスを感じる歌詞。そして「それは今も続いてる」と歌う。これからもスピッツの活動は変わらずに続くという意思表示を力強く歌っている。

 

ひねくれもののスピッツがファンを感動させることを狙ったようなあざとい曲。こんなの泣ける。実際泣いた。

 

 ももクロの「クローバーとダイヤモンド」はスピッツの「1987→」に近い部分があるのではと思う。

 

どちらもファンのことを考えたうえで自分たちの魅力を見せつつ、感動させることをあざとく狙っているのだ。ファンのためのあざとさなのだ。

 

ファン想いの部分があり、自分たちのスタイルをきちんと表現しつつ、ファンの求めるものもしっかり提供している。だからこそ、長年活動でき、評価もされているのではと思う。

 

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10年の積み重ねがあったからこそできた曲

 

そして、「クローバーとダイヤモンド」は今のタイミングで発表することがベストなタイミングの曲だと感じる。

 

MVも曲も歌詞も10年の歴史と成長を感じるものだ。そして、今後もももクロが続いていくことも表現されている。10周年という区切りの年だからこそ感動的になる曲であり、このタイミングでなければ楽曲の魅力を最大限には表現できなかったと思う。

 

そういった曲を10周年のタイミングで提供したC&KのCLIEVYは流石だと思う。ももクロのことをしっかり理解し、愛を持って楽曲提供したのだと感じる。

 

そして、10年間紆余曲折ありながらも全力で活動してきたももクロのメンバーも素晴らしいと思う。

 

「クローバーとダイヤモンド」はももクロの頑張りや歴史がなければ生まれなかった曲でもあるし、感動することもなかった曲だと思う。

 

ももクロのメンバーは曲を作ってもいないし歌詞も書いてはいない。しかし、ももクロにしか歌えない歌もあり、ももクロが歌うからこそ感動的になる曲があるのだと感じた。それは「クローバーとダイヤモンド」に限らず他の曲も同じなのだろう。

 

自分はももクロのファンというわけではない。しかし、それでも感動してしまった。それはももクロにしか出せない魅力が詰まった曲で、多くの人を笑顔にする歌声を持っているからではと思う。

 

ももクロにとって10周年は1つの区切りで、ベストアルバム発売やドーム公演など10周年を盛り上がっている。しかし、「クローバーとダイヤモンド」を聴いていると10周年の活動はもちろん、来年以降のももクロの活動も楽しみになってくる。

 

来年以降、ももクロはもっと面白いことになるんじゃないかな?

 

余談ですが、自分の推しグループの私立恵比寿中学も来年10周年なので、そちらもよろしくお願いします。

 

クローバーとダイヤモンド

クローバーとダイヤモンド

  • ももいろクローバーZ
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes