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レミオロメンが好きだった

3月9日

 

2004年3月9日。もう14年前だ。レミオロメンの知名度を上げるきっかけにもなった代表曲「3月9日」の発売日。もう14年前。その年に生まれた子供はもう中学2年生ですよ。

 

アラサーには受け入れ難い現実かもしれないが、今の学生はレミオロメンの事を知らない人が多い。ヒット曲を連発していたのは10年以上前だし、活動休止してから6年経つ。中高生は粉雪すら知らないぞ。そんな現実に1リットルの涙が出そうだ。

 

好きだったんだよ。レミオロメン。世間では2年ぐらい売れてすぐに消えたバンドだと思われているかもしれない。後輩バンドに影響を与えたわけでもない。でも良い曲がたくさんあった。

 

そして、レミオロメンはロックバンドだった。3人の演奏がカッコよかったんだ。それなのに身近にも感じるようなバンドだったんだ。

 

アジカンと同様に期待されていた

 

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2003年12月号のロッキングオンジャパン。レミオロメンは表示だった。「おまえらに賭けた!」という言葉も添えられて。2003年はミッシェルガンエレファントが解散した。前年にはナンバーガールが解散している。一時代を築いたロックバンドが居なくなって次の時代を作るロックバンドが求められて居た時期だ。

 

当時のレミオロメンはメジャーデビューしたばかり。雑誌の表紙を飾るほど売れていたわけではない。それでも表紙を飾った理由は「おまえらに賭けた!」という言葉通りに、次世代のロックシーンを作るバンドだと思われていたのだ。音楽業界からも音楽ファンからも。

 

同じく2003年にデビューしたアジアンカンフージェネレーションと共に語られたり、比べられることも多かった。音楽性や方向性は違っても、2組ともこれからの音楽シーンにおいて重要なバンドになるのではと思われていた。

 

しかし、レミオロメンの方向性はロックシーンとは違う方向へ向かうことになる。

 

どうでも良いことを歌うレミオロメン

 

自分がレミオロメンを個性的にだと感じる部分は「歌っている対象について」だ。どうでも良いことを歌うんだ。そして、とても狭い世界について歌っていた。

 

例えばインディーズ1stシングルの「雨上がり」では雨が降り止んだ様子を歌っている。深いメッセージなんてないし、誰もが体験することでわざわざ曲にするソングライターもいなかったようなテーマ。

 

雨上がり

雨上がり

  • レミオロメン
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

1stアルバムに収録されている「すきま風」という曲はすきま風のせいで寒いし眠れないという状況を歌っている。「だから何なの?」という歌だ。

 

すきま風

すきま風

  • レミオロメン
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

でも、そんな曲が大好きだった。それは他にはない世界観でもあったし、何故かグッとくる表現がある歌詞だった。狭い世界のことや身近な日常のことを歌っていても、その中に感じる繊細な感情の表現や、細かな風景描写が魅力的だった。

 

自分は特に「ビールとプリン」という曲が好きだ。カップルの日常を歌っている曲で、彼女がご飯を作っている間に彼氏がコンビニで自分のビールと恋人のためのプリンを買ってくる歌。

 

ビールとプリン

ビールとプリン

  • レミオロメン
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

カップルの日常の風景を淡々と説明するような歌詞。それでも登場人物2人の関係性や人間性も伝わってくるし、切なさも温かさも感じる歌詞。

 

そんな小さな世界のことを、レミオロメンは大事に歌と演奏で表現していた。

 

バンドサウンドとメロディ

 

レミオロメンは3ピースバンドだ。シングルで「南風」をリリースする以前は、音源でもライブでも3人の奏でるバンドサウンドが魅力的だった。

 

ライブでは荒々しくもロックの初期衝動を感じるような演奏。パンクとすら思えるような勢いと激しさ。デビュー当初は演奏も歌も上手かったわけではない。それでもベースもドラムも個性的なフレーズを弾いていたし、ギターとボーカルも魅力的な音色と声だった。

 

少しフォーキーなメロディも癖になる。歌詞で歌われていた素朴でテーマをメロディが引き立てていた。紛れもないロックバンドの演奏にも関わらず、温かさがあり親近感を感じた。

 

それがレミオロメンの個性であり強みだと思っていた。

 

レミオロメンを聴かなくなった理由

 

自分はある時期からレミオロメンをあまり聴かなくなった。シングル「南風」のリリース以降、最初とは少しだけ方向性が変わってきた気がしたのだ。

 

南風

南風

  • レミオロメン
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

3人の演奏よりもストリングスや打ち込みの音やピアノの音など、外部の音が目立つようになってきた。音作りは洗練されていき、メンバーの演奏は荒々しさがなくなり上手くなり、歌も丁寧に歌われるようになった。

 

それは変化でもあるし、進化だったとは思う。多くの人に良いと思ってもらえるような音作りになったと思う。それ以前のレミオロメンはロックに興味がない人にとっては、ただの下手くそなバンドに思われそうだったわけで。

 

しかし、自分は最初に知った時のレミオロメンの衝撃や魅力を忘れられなかった。新曲も良いと思う時もあったけど、しっくり来なかった。

 

歌詞の方向性も少しだけ変わっていった。「ビールとプリン」のような一部の人が感動するような歌詞は減り、誰もが共感できるような内容や前向きなメッセージソングも増えた。

 

曲のタイトルや歌詞に殆ど英語を使っていなかったが、タイトルや歌詞の一部にローマ字や英語を使うようになった。

 

いつの間にか自分はレミオロメンを聴かなくなっていた。ライブも行かなくなっていた。決してレミオロメンが悪くなったのではないと思う。進化していたと思う。ただ、自分が変化していくレミオロメンを受け入れられなかったのだ。

 

ロックバンドとしてロック好きに支持されるバンドではなく、老若男女に愛されるJPOPを作るバンドになった。自分はロックバンドのレミオロメンが好きだった。

 

レミオロメンを聴きたくなる時

 

それでも年に1度は無性にレミオロメンを聴きたくなる。その日は毎年3月9日。自分がまだレミオロメンが好きだった頃にリリースされた「3月9日」という曲のタイトルの日。毎年カレンダーを見て、「そういえば今日は3月9日か」とレミオロメンを思い出す。

 

改めて聴いてみると、やっぱりレミオロメンの曲は良いんだ。かっこいい曲がたくさんあるし、切なくてグッとくる曲もたくさんある。今更になって、自分が受け入れられなかった時のレミオロメンの曲も、良いと思える曲がいくつか見つけた。

 

音楽ファンにはあまり評価されていないかもしれないけど、良いバンドだったんだよ。好きだったんだよ。

 

レミオロメンを知らない若い世代も、レミオロメンをあまり聴いていなかった人も、レミオロメンの音楽を聴いて欲しいなと思う。

 

レミオベスト

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