オトニッチ-音楽の情報.com-

ニッチな音楽情報と捻くれて共感されない音楽コラムと音楽エッセイ

〈ライブレポ〉フジファブリックの「帰ってきた三日月ADVENTURE」ツアーがヤバい

ヤバい

 

あらかじめ言っておく。この記事に内容はない。ただひたすら「ヤバい」と言い続けるだけの記事だ。フジファブリックのライブの感想を「ヤバい」と語彙力低めの表現で言い続けるだけだ。フジファブリックのファン以外はほかの記事を読んでもらいたい。

 

フジファブリックが現在行っている全国ツアー「帰ってきた三日月ADVENTURE」。ツアー初日の横浜ベイホールでの公演に行ってきた。バンドのもつ底力がどれ程のものかわかり、本来のバンドの魅力がわかるライブは、何も無い時のワンマンライブだと思う。このライブツアーは〝何も無い時のワンマンライブ〟をやっているツアーなのだ。

 

f:id:houroukamome121:20180210061005j:image

 

何も無いとはどういうことかと言うと、新曲やアルバムのリリースをしたわけでもなく、周年記念などの記念的なものでもなく、特別なコンセプトもないということ。

 

アルバムのツアーならば最新アルバムが中心のセットリストになる。例えば周年ツアーなどの記念的なツアーならば代表曲や人気曲が中心になると思う。何かコンセプトがあるならばそれにそったセットリストになると思う。例えば現在行っているクリープハイプのツアーのように。

 

関連記事:なぜクリープハイプは「懐かしい曲も歌うから」というタイトルで過去を振り返るツアーを行っているのか? - オトニッチ-

 

フジファブリックの「帰ってきた三日月ADVENTURE」ツアーは何も無いのに行っているツアーだ。コンセプトも一応あるみたいだけど、そのコンセプトは〝自由〟。それ、コンセプトがないのと同じだから。これをコンセプトにするとか、フジファブリック、ヤバい。

 

自由ってヤバい

 

自由にやるって、実はとても難しい。バンドマンといえどもそれで生計を立てていて、多くのスタッフが関わっているビジネスでもある。例えば自分が仕事で上司に「自由にやっていいよ」って言われても困るもん。「マジで自由にやっていいの?」って思うし。良いと思って自由にやってもそれが結果に結びつかない自己満足になってしまうこともある。

 

実際はある程度コンセプトや方向性が決まっていた方がやりやすいし、結果も出しやすい。自由にやって結果を出せる人は才能や経験がある人だ。能力がない人間がやる自由は悪い意味でヤバいものになることが多い。 

 

 それにたいしてフジファブリックが自由にライブをやった場合、どうなるのだろう。良い意味でヤバいことになる。セットリストも演奏も。才能も実力もキャリアもあり、ずっと第一線で活躍しているバンドだから当然かもしれない。

 

でも、ヤバい。これ、ライブに来たお客さんがきっと全員思ったよ。

 

自由で縛りもないからこそよりバンドの魅力がいつも以上に伝わるライブだったのかもしれない。アルバムのリリースツアーならばアルバムの魅力を存分に伝える部分にかんしては最高だと思う。それもない”自由”なライブの場合はバンド自体の魅力がいつも以上に伝わるライブになっていたように思う。つまり、ヤバい。

 

セットリストがヤバい

 

ライブの曲目ってライブの満足度を高める要で、かなり重要だと思う。定番曲やシングル曲ばかりだとコアなファンは満足できないだろうし、マニアックすぎるとファンになりたてのお客さんは満足できない。アルバムのリリースツアーならばアルバムの収録曲を中心に披露するとわかるし、フェスやイベントならば定番曲が中心だと予想はつくし、ライトファンも予習をしやすいし全員満足しやすいと思う。

 

しかし、アーティスト側が自由にやるライブの場合はセットリストの予想は難しい。アーティスト側がやりたい曲とファンが聴きたい曲が同じとは限らないからだ。

 

それが、今回のフジファブリックのライブ、セットリストが素晴らしかった。定番曲もマニアックな曲も久々にやる曲も散りばめられている。きっとバンドとしてやりたいであろう曲と、ファンが聴きたい曲とのバランスがしっかりとれている。ヤバい。

 

いや、バンドとしての実力やキャリアがあるために、バンドが自由にやりたい曲をやっていることにファンは満足してしまうのかもしれない。それってヤバい。

 

しかも「帰ってきた三日月ADVENTURE」は公演毎にセットリストを変更するらしい。それだけ多くの曲を覚えていなければならないし、対応するには経験や演奏力がなければ簡単にはできないことだろう。フジファブリック、ヤバい。

 

演奏がヤバい

 

ここがしっかりしていなければ、ライブとして成立しない部分。それがバンドの演奏だ。これも当然ヤバかった。もちろん良い意味で。

 

今回のツアーでドラムを演奏するのは玉田豊夢だ。実力も人気もある売れっ子ドラマー。フジファブリックは長期間にわたりBOBOがドラムを叩いていた。BOBOも売れっ子ドラマー。今回はスケジュールの都合などで参加はできなかったのだと思う。

 

とはいえ、玉田豊夢もフジファブリックと今まで関りがなかったわけではない。フェスやイベントなどで共演したこともあるし、レコーディングにも参加したことがある。フジファブリックの山内総一郎とは斉藤和義のツアーを一緒に30公演以上周っている。そのためツアーを初めて一緒に周るといってもメンバーとの演奏の愛称も良さそう。きちんとバンドの一員としてグルーブ感のあるドラムを叩いている。豊夢さん、ヤバい。

 

演奏で特にヤバかったのは”かくれんぼ”という曲と”打上げ花火”という曲。

 

”かくれんぼ”の歌のない長めのアウトロの演奏。圧巻。ヤバい。フジファブリックって演奏が上手いんですよ。それも演奏の上手さをアピールするようないかにも見せつけるような演奏はしない。ギターも音がつぶれずに綺麗に弾いているしキーボードもシンプルなようで印象的なフレーズを弾く。ベースも安定した演奏をする。あと帽子を被っている。似合う。

 

そして”打上げ花火”。スローテンポで音数の少ない前半の張りつめた空気感、ヤバい。曲が進むに連れ楽器が合わさり盛り上がるのもヤバい。楽器やバンドをやったことがある人ならわかると思うんですけど、盛り上げる演奏アップテンポの演奏ってそこまで難しくないんですよ。

 

難しいのはスローテンポで聴かせる演奏。そして段丘のある演奏も難しい。これは実力がなければできない。フジファブリックはこれが普通にできるんですよ。プロだから当たり前と思うかもしれないけども、グダグダで何言ってるのかわからないMCまったりとしたアットホームな雰囲気のMCから一瞬で張りつめた空気にするのはプロでも簡単にできることではない。

 

ツアー初日とは思えないぐらいに仕上がった演奏、ヤバい。

 

MCがヤバい

 

今回のライブはMCもヤバかった。もちろん悪い意味で。

 

いつもグダグダアットホームでゆるいMCだが、今回は特にヤバかった。山内総一郎が何を言っているのかわからないぐらいに。本人ですら「俺は何をしゃべっているのだろう・・・・・・」と言い出すほどに。

 

「そういえば、あけましておめでとうございます」

「アドベンチャーといえば、鬼退治じゃないですか。鬼退治ですよね・・・・・・?」

「みなさん、ステージに立ってみます?頭が真っ白になりますよ?」

 

ヤバいのである。他のメンバーも巻き込み事故を防ぐために殆どフォローをしなかった。ヤバい。でも、これを「こういう人だから仕方がないか」とファンも受け入れてしまうのだ。ファンもヤバい。

 

グッズもヤバい

 

今回のツアーグッズのTシャツが、これである。

 

f:id:houroukamome121:20180210060633j:image

 

ヤバい。

 

フジファブリックはヤバい

 

セットリストも演奏も良い。ライブハウスを周るツアーなので特別な演出はなくバンドの演奏のみで勝負をするフジファブリック。特に縛りがなく”自由”がコンセプトだからこそバンドの凄みがわかるようなライブ。改めてフジファブリックはヤバいバンドなのだと確信するようなライブ。

 

そして、ライブの感想がヤバいとしか言えていない自分もヤバい。でも、ヤバいとしか言いようのないライブを見せてくれたフジファブリックは、やっぱりヤバいと思う。ツアーの千秋楽である4月の公演ではもっとヤバいことになっているかもしれない。

 

つまり、この記事で言いたいことをまとめると、フジファブリックはヤバい。

 

 

関連記事:フジファブリック志村正彦が奥田民生を泣かせた日について - オトニッチ-

関連記事:フジファブリックの志村正彦を最後に観たライブについて - オトニッチ-

関連記事:【ライブレポ】2017.7.1フジフレンドパーク 2017 (フジファブリック / ハナレグミ)@Zepp DiverCity TOKYO - オトニッチ-