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ロッキンの客はルールを守れてTIFの客がルールを守れない理由

Hatena Feedly

タイトルは大袈裟に言ってます

 

殆どのお客さんはルールを守って楽しんでいたと思う。

しかし、ルールを守れない人も中にはいる。

ロッキンとTIF。

どちらのフェスも一部のお客さんはルールもマナーも守れない人は一定数居ると思う。

数千人から数万人の人が集まるわけだし。

しかし、自分の体感的にTIFのお客さんの方がルールを破っている人が目立っていたイメージがある。

 

自分はロッキンことROCK IN JAPAN FESTIVALには毎年のように行っていて、今年はTIFことTOKYO IDOL FESTIVALへ行ってきました。

 

片方はロックフェスで片方はアイドルフェス。

意外と客層はそこまで大きく変わらないような感じもあった。

ロックフェスにいるような服装の人が多いし、普通の大学生のような客や普通の若者も多いし、女性客も多い。

もちろん男女比率は違うけども。

 

しかし、雰囲気や運営方法は全く違うものに感じた。

それはこの2つのフェスを比べた場合だけではないが、この2つのフェスには共通する部分が一部あり、それに対する対応の関係で違うものになっている気がした。

結論を言っちゃうと、「TIFの運営方法って酷くない?」と感じたわけです。

 

ロッキンとTIFの共通点

 

この2つのフェスには共通点があると思っている。

それは、他のフェス以上にルールが厳しいこと。

どちらも禁止事項として決められている行為を行ってしまうと、ルール違反した客に対して厳しい対応を取る。

 

例えばどちらのフェスでも禁止事項の1つであるダイブ・サーフをした場合の対応。

どちらもダイブやサーフを行った客はスタッフに連れられて反省文を書かされたり、リストバンドを没収されて退場させられる。

 

もちろん他のフェスでもダイブやサーフは禁止事項の1つであることが殆どだ。

しかし、他のロックフェスやアイドルフェスではあまりに酷い場合を除いて、ダイブやサーフはある程度は暗黙の了解でスタッフや警備員も見逃す場合もある。

その音楽のジャンルや出演者の普段のライブの雰囲気から、それを禁止事項にするとお客さんの楽しさを奪うことにもなる場合もある。

出演者も全力でパフォーマンスが出来ない場合もある。

そういった理由があるのかもしれない。

 

しかし、ロッキンもTIFもリフトやダイブが発生したらどんな状況でも警備員に厳重注意される。

それによってリストバンドを没収されて退場させられることも珍しくはない。

普段はリフトもダイブもモッシュも当たり前の出演者がパフォーマンスしている時でもお構い無しだ。

 

この2つのフェスは客だけに厳しいルールを課しているわけではない。

出演者に対しても厳しいルールを課している。

例えば、どちらのフェスも出演者がステージから降りることは禁止だ。

ロッキンに関しては出演者がステージから下りたら今後出演禁止になりロッキング・オンが関わるフェスに呼ばれることはない。

それは若手も大御所も関係なく(RIZEや泉谷しげるなどは多分出禁なのかな?)。

TIFに関しても同様かもしれない。

会場にはこのような張り紙が張ってあったようだ。

 

 

ロッキンがルールを厳しくした理由

 

ROCK IN JAPAN FESTIVALは以前はそれほど厳しいルールはなかった。

モッシュやダイブなどの禁止を厳しく取り締まり始めたのは2008年頃からだと思う。

 

厳しくしたことには理由がある。

同じくロッキング・オンが主催者として開催しているCOUNTDOWN JAPAN FESTIVALでダイブによる後遺症の残る怪我をした客を出してしまったのだ。

そのため、ルール厳守を厳しくせざるを得なくなったのだ。

 

ロッキンも当初はルールを厳守することに関して出演者や客からも不満や疑問も多く発生した。

この件に関する議論をお客さんはするし、この件に関してステージ上で言及するバンドも少なくはなかった。

 

しかし、今ではその事に文句を言う人は殆ど居ない。

ルールを破る人も殆どいなかった。

どうしてもダイブやサーフをしたい人は他のフェスに行くし、禁止行為の取り締まりを厳しくした代わりに、多くの人が快適に楽しめるように運営方法を工夫したり改善を毎年進めているように感じる。

 

ROCK IN JAPAN FESTIVALに言った後に他のフェスに行くと感じることは、ロッキンの快適さだ。

ステージの移動距離があったり来場者が多すぎるなどの問題点はあるものの、集客の割には入退場も移動時の同線もスムーズだし、スタッフも多くスタッフ同士の連携も取れている。

 

 ROCK IN JAPAN FESTIVALは客に対して音楽フェスとしては厳しいルールを課したが、それは来場者のためでもある。

ライブハウスや他のフェスとは少しルールが違ったりライブハウスに頻繁に行く音楽ファンには戸惑うルールもあるが、老若男女多くの人が安全に楽しめる環境を整えてはいる。

実際に会場へ行くと客層は若者が多いが、小さい子どもがいる家族連れや年配の方も来場している。

 

ロッキンは絶対に守らなければならない「安全」を徹底するためにルールを課したのだ。

つまり、客のことを第1に考えた結果のルールだ。

それによって普段通り楽しめない客もいるかもしれないが、それでも少しでも楽しんでもらえるようにと快適な環境やライブ以外でも楽しめるスポットを設置しているのだと思う。

 

そして何よりもルールを厳しくした年には来場者に対して「なぜルールを厳しくしたのか」「ルールの徹底を行う理由」についてホームページ上でもフェスの当日の主催者挨拶でもきちんと説明を行った。

そのため客の間や出演者の間で議論や批判は出たこともあったが、ロッキンの想いや覚悟や理由も納得した上での議論や批判でもあった。

そのため、現場でルールを破る人は少なかったし、今ではそのルールが定着している。

 

TIFはなんでルールが厳しいの?

 

ではTOKYO IDOL FESTIVALは何故ルールが厳しいのだろうか。

理由としてはROCK IN JAPAN FESTIVALと同様、安心安全のためだと思う。

 

TIFもかなり大規模な音楽フェスだ。

アイドル専門の音楽フェスとしては日本一の規模と来場者数で、今年は3日間で8万人を動員している。 

1日あたり約3万人ほどは来場していたということだ。

 

ロッキンと違いTIFは後遺症の残るような事故が起こったことはないようだが、これだけ多くの来場者と多くの出演者がいればトラブルや事故がいつ発生してもおかしくはない。

そのため厳しいルールや徹底をしなければならないルールがあるのは当然だ。

スタッフも出演者も来場者もルールを守ることで安全なイベント運営ができるとは思う。

 

しかし、自分がTIFに参加して感じたことがある。

それはTIFのルールは、安全にイベントを運営し全員が楽しめる環境を作ることが目的ではなく、ルールを守らせることが目的になっていないかということだ。

ルールは手段の1つにすぎないのに、目的になっているように感じた。

 

ルールを守らせるための暴力

 

TIFはBONDS SECURITYという会社の警備員が雇われている。

警備だけでなくボディガードのサービスも行っている警備会社だが、他の警備会社と違った特徴がある。

それは、プロの格闘家などそこら辺の一般人では歯が立たない武闘派のスタッフが多いことだ。

そしてイベント警備以外に主に行っている業務やVIPのボディガードやクラブやイベントでのトラブルや喧嘩の処理を請け負っている。

 

そして、このBONDSの警備の方法が話題になっていた。

おそらく普段BONDSが警備をしているクラブなどでのトラブルや喧嘩の処理と同じように、アイドルフェスでルールを破った客に対しても対応していたように感じる。

 

リフトをした客は首をつかんで引きずり落とす。

モッシュした客には捕まえてヘッドロックをくらわす。

サークルができれば中心に入ってきて飛び込んできた客を捕まえて地面へ叩きつける。

自分が1日会場にいただけでも10件以上これらの状況を見た。

 

この対応に関してBONDSを責めるつもりはない。

これはBONDSが普段から行っている業務と同じことを行っているだけで、クライアントから依頼された仕事を最大限行っていただけだと思う。

実際に限度を超えた迷惑行為や限度を超えた暴れ方をする客もいたことだろう。

そういった客にはこのように対応しなければ他の客や出演者などに危害がおよぶ可能性もあるのかもしれない。

 

しかし、ルールは何のためにあるかというと、全ての来場者がトラブルもなく安全に楽しむためだと思う。

モッシュやダイブを禁止している理由は怪我を防ぐことが目的として大きな割合を占めているだろう。

だがこの方法ではルールを守らせるために怪我人を出してしまう可能性もあるのではないだろうか。

 

「目には目を歯には歯を」の鉄拳制裁をしていても根本の解決にもならない。

トラブルが大きくなったり、それに不随して余計なトラブルも起こってしまうのではと感じる。

それによって一部の厄介な客がBONDSに対して対抗意識を燃やして”あえて”ルール違反を行っているステージもあったように感じた。

 

関係者がネタにしてはいけないことでは?

 

BONDSは2016年のTIFでも警備をしており、その際も過剰な警備方法についてSNSで話題になっていた。

そしてアイドルファンからは笑いのネタにもされていた。

 

しかし、これをネタにして良いのはあくまで一般の客だけだろう。

それにも関わらずTIFの公式はBONDSをネタにしてTwitterなどで情報発信を行っていた。

 

 

さらにはBONDSと厄介なルール違反をする客をネタにして出演アイドルグループがTシャツまで販売をした。

 

 

警備員は裏方の仕事だ。

TIFの警備をしたことでBONDSが様々な意味で知名度を上げて注目されたことは事実だ。

しかし、出演アイドルはまだしも運営をしているTIFの公式が一般客と同じようにBONDSをネタにするのは間違っているのではと思う。

これでは迷惑客を煽っているようにも見えるし、『厄介なルール違反をする客vsBONDS』のプロレスを仕掛けられてるように感じる客もいるだろう。

 

これではルール違反や迷惑行為を防ぐどころか”ルール違反をするように煽っている”ようにも見えてしまう。

ルール違反者が多かった理由の1つではないかと思う。

 

それ以外の運営方法にも問題がある

 

また、警備以外の部分でもTIFの運営方法には問題を感じた。

物販列やリストバンドの行列も異常だった。

物販のスペースに入るまでにも行列を並ばなければならないし、物販会場入場後もグッズによってはさらに列を並ぶことになる。

リストバンドの交換列も交換場所が2か所しかなくどちらも行列だった。

 

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この行列は効率の悪さとスタッフの人数の少なさなど様々な運営の問題点を感じた。

自分の場合は入場するためのリストバンドを交換するまでに30分ほど列を並んだ。

 

そしてステージの同線やスタッフの対応の悪さだ。

8,000人収容されるメインステージの入場口は狭く2列で入場していた。

そのためステージに入るだけでも数十分かかることもあった。

入場後も観客のスペースは柵で区切られていて、それぞれのスペースに行くまでにさらに時間がかかる。

しかもスタッフの人数が足りず、スタッフ同士の連携もきちんとできていないようで客の案内もきちんとできていなかった。

 

そのためイラついた客がスタッフに抗議したり、割り込みや柵を飛び越えて前へ行く客などもいて客同士のトラブルも起こっていた。

 

その他のステージは入口と出口が同じ扉のステージもあった。

1組終わるとすぐに次の出演者のパフォーマンスが始まっていたため、ステージから出る客とステージに入りたい客とで混雑し転んだりぶつかって怪我やトラブルがいつ発生してもおかしくなかった。

 

今の運営方法のままではルールを守っている客が多いとしてもいつか大きなトラブルや事故の原因になってしまうのではないだろうか。

そしてこういったスタッフにイラついてルールをどうでもいいと思って破ってしまう人もいたのかもしれない。

 

最も悪いのはルールを破る客

 

ここまで運営の批判ばかりをしてきてしまったが、忘れないでほしいことは、最も悪なのはルールを守らない厄介な客だ。

殆どの客はルールを守って楽しんでいる。

普段のライブハウスとは違うノリやルールを求められても環境が違うし、お台場はフェスに来た客以外の多くの観光客や買い物客がいる。

若干の不満があったとしても普段と違うルールでも仕方がないとある程度は納得はして楽しんでいる。

 

TIFの運営方法に関しては改善してほしいことや要望は多いが、ルールを破る客が少なければルール違反者に過剰な対応をすることはなかっただろう。

ルール違反者が少なく警備費用を削減できたとしたら、それ以外のスタッフを増やすこともでき、ステージの同線などを改善することに経費を使えるようになり快適な環境になっていたかもしれない。

TIFの運営方法に問題があり、ルール違反者を増やしてしまうような運営だったのかもしれないが、ルールは理由があるから作られたものであり守るべきものなのだ。

 

TIFに出演することに憧れていたアイドルも多いし、普段はなかなかパフォーマンスできない大きなステージに出演することを楽しみにしていたアイドルも多いだろう。

そのため、どのアイドルも短い時間でも気合の入った全力のパフォーマンスをして自分のファン以外も楽しませようとしていたように感じる。

自分はイベントの運営方法に不満はあっても、出演者に対しては全く不満はないし楽しませてくれて感謝しているぐらいだ。 

 

TIFの運営方法やBONDSの対応に関して不満や批判をしていい客はルールをきちんと守っていた客だけだと思う。

SNSを見るとルール違反をした客が運営やBONDSの警備に対して批判をしている人も見かけた。

 

まずは自分がルールを守ってから批判をしてくれ。

運営がこのような対応をしてしまった原因はルール違反者がいたことが原因なのだから。