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許されるパクリと許されないパクリの違いは? - H ZETT Mをパクった日産のCMに思うこと -

Hatena Feedly

H ZETT Mがパクられた?


なんかTwitterで話題になっていて、BASEMENT TIMESでも記事になっていたこの話題。

本人もTwitterにて言及されていたこの話題。

 

 

👇画像をクリックで動画になります。

 日産NOTEのCM曲ですね。

 

👇こちらがH ZETT MのDancing in the mood。

Dancing in the mood

Dancing in the mood

  • H ZETTRIO
  • ジャズ
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 

まあ、聴いてみると、曲のキーが違うのと、ところどころが少しメロディが変えられているぐらい。

アレンジもほぼほぼ同じだ。

同じ曲と勘違いされてもおかしくはない。

  

ちなみにだけど、今回のCMの件は別として、個人的には音楽のパクリは場合によっては良いんじゃないかなと思っている。

 

パクってるアーティストのファンが、「この曲の元ネタは〇〇だ」と語りあったりすることもある。

自分の好きなアーティストもパクリまくってるし、本人が「元ネタは〇〇」とインタビューで語って開き直ってることもあるし、逆にパクられたりしている。

 

むしろ、音楽はパクリとパクられの繰り返しによって面白くなっているのではとも思うこともある。

 

“ぱくるり”とファンにも弄られたくるり

 

自分はくるりというバンドが好きなのです。

学生の頃からCDが擦り切れるほど聴いた。

そんなくるりはパクリの常習犯だったりします。

 

例えば名盤の2ndアルバム『図鑑』

 

 

このアルバムのラストに収録されている“宿はなし”という曲は原由子の“花咲く旅路”とメロディがそっくりです。

 

宿はなし(Live ver. at 磔磔)

宿はなし(Live ver. at 磔磔)

  • くるり
  • オルタナティブ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
花咲く旅路

花咲く旅路

  • 原 由子
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

  

チオビタのCMソングになった“JUBILEE”

くるりの代表曲の一つでもあります。

これもサビのメロディがAndy WilliamsのMoon Riverと似ています。

 

ジュビリー

ジュビリー

  • くるり
  • オルタナティブ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
Moon River

Moon River

  • アンディ・ウィリアムス
  • ポップ
  • ¥150
  • provided courtesy of iTunes

  

ここ最近の曲だとRemember meも最初のリフがoasisの名曲Whateveryそのまんまです。

 

👇画像をクリックで動画になります。


くるり-Remmber me / Quruli-Remember me

👇画像をクリックで動画になります。


Oasis - Whatever

  

他にも上げれば切りが無いぐらいくるりは古今東西様々なジャンルの様々な音楽をパクリまくっています。

最近はあまり言われなくなりましたが、10年ぐらい前までは某匿名掲示板でファンからも「ぱくるり」と言われ弄られていました。

 

しかし、それによって今まで自分が知らないジャンルの音楽や知らないアーティストを知ることもできたし、逆にこれは〇〇を元ネタにしていると気づいたりする面白さもありました。

 

 

ビートルズのパクリと言えば奥田民生

 

 奥田民生はユニコーンの頃からビートルズを中心に様々な洋楽ロックのパロディと言ってもいいぐらいのパクリをしています。

 

ユニコーン時代の"いかんともしがたい男"はTHE BEATLSの"Blue Jay Way"と似ています。

 

いかんともしがたい男

いかんともしがたい男

  • ユニコーン
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
Blue Jay Way

Blue Jay Way

  • ビートルズ
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

PUFFYへの提供曲だと“これが私の生きる道”なんて演奏がTHE BEATLESの"DayTripper"そのまんまだし、他のビートルズの曲も詰め込まれています(笑)。

 

これが私の生きる道

これが私の生きる道

  • PUFFY
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
Day Tripper

Day Tripper

  • ビートルズ
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

他にもありますが、奥田民生はビートルズへの愛がとても深いのか、ビートルズを元ネタにしている曲がたくさんあります。

 

  

小沢健二もパクリまくり

 

2017年に復活し、久々のシングルリリースやテレビ出演で話題になった小沢健二。

小沢健二も様々なジャンルの音楽から引用しまくっています。

 

名盤の『LIFE!』収録曲も多くのパクリがあります。

ますば“ラブリー“

これはBETTY WRIGHTのClean Up Womanにバックトラックがそっくりです。

本人も引用したことは認めているそうです。

 

👇画像をクリックで動画になります。


小沢健二 - ラブリー

Clean Up Woman

Clean Up Woman

  • ベティ・ライト
  • R&B/ソウル
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

そして多くのアーティストにカバーもされている“ぼくらが旅に出る理由”

これはPaul Simon のYou Can Call Me Alの範奏部分と似ています。

 

👇画像をクリックで動画になります。


小沢健二 - ぼくらが旅に出る理由(Single Edit)

👇画像をクリックで動画になります。


Paul Simon - You Can Call Me Al

 

他の大御所アーティストもパクってる

 

スピッツもハチミツに収録されているあじさい通りのイントロは紙風船後の冬が来る前にの間奏のリフと同じだ。(動画の1分40秒あたり)

 

あじさい通り

あじさい通り

  • スピッツ
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

👇画像をクリックで動画になります。

 

 草野マサムネが櫛引彩香に提供した帰り道のAメロのメロディは亜麻色の髪の乙女と似ている。 

 

👇画像をクリックで動画になります。


櫛引彩香 帰り道

亜麻色の髪の乙女

亜麻色の髪の乙女

  • ヴィレッジ・シンガーズ
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

サザンオールスターズやB'zやMr.Childrenなど国民的バンドもパクリはやっている。

 

サザンのいとしのエリーはMARIENA SHAWのYOU TAUGHT ME HOW TO SPEAK IN LOVEとAメロが似ている。

全体的なアレンジも参考にしていそうだ。

 

いとしのエリー

いとしのエリー

  • サザンオールスターズ
  • J-Pop
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

👇画像をクリックで動画になります。


You Taught Me How To Speak In Love - Marlena Shaw

 

B'zの仄かなる火のサビはoasisのDON'T LOOK BACK ANGERのメロディと似ている。

 

仄かなる火

仄かなる火

  • B'z
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
Don't Look Back In Anger

Don't Look Back In Anger

  • オアシス
  • ロック
  • ¥200
  • provided courtesy of iTunes

 

ミスチルも虹の彼方へはElvis Costelloの(What's So Funny 'Bout) Peace, Love, and Understandingそっくりだ。

 

👇画像をクリックで動画になります


虹の彼方へ/Mr.Children

 


Elvis Costello & The Attractions - (What's So Funny 'Bout) Peace, Love And Understanding

 

シーソーゲーム~勇敢な恋の歌~はElvis CostelloのRadio, Radioの歌い方を真似したと桜井氏本人が語っている。

コステロからミスチルは多大な影響を受けているのだろう。

 

最近のアーティストもパクってる

 

 大御所やベテランだけでなく、最近売れたバンドも他の音楽をパクっていたりする。

 

例えば[Alexandros] の代表曲のワタリドリ

これはコールドプレイのEvery Teardrop is a Waterfallの間奏のイントロを引用しアレンジをしている。

 

👇画像をクリックで動画になります。


[Alexandros] - ワタリドリ (MV)

 

Every Teardrop Is a Waterfall

Every Teardrop Is a Waterfall

  • コールドプレイ
  • オルタナティブ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

フジファブリックの蒼い鳥のイントロ。

こたらはRadioheadのA Wolf At The Doorのバックのリフを引用している。

 

蒼い鳥

蒼い鳥

  • フジファブリック
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes
A Wolf at the Door

A Wolf at the Door

  • レディオヘッド
  • オルタナティブ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

 最近はアイドルも過去の洋楽から引用している事が多い。

アイドルの楽曲を作っている人は音楽マニアだったり、じつは作曲家として1流だったり、面白いことを考えている事が多い。

 

Berlin少女ハートのCANDYという曲。

これはBlurのSong 2の丸パクリだ。

インタビューで曲を作っていないアイドルであるメンバーが「これはパクリです」と語っている。

ストレイテナーのkiller tuneもsong2を参考にしている気がする。

 

👇画像をクリックで動画になります。


BELLRING少女ハート - c.a.n.d.y.

 

KILLER TUNE

KILLER TUNE

  • ストレイテナー
  • ロック
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes

 

👇画像をクリックで動画になります。


Blur - Song 2

 

しかし、最近の若手バンドは邦楽ロックやJ-POPから影響を受けたバンドが多いので、こういったオマージュをするバンドは少なくなっている。

自分は好きなバンドがこのようなパクリをしてくれるおかげで音楽の趣味の幅が広がったので、少しさびしさはある。

 

許されるパクリと許されないパクリ

 

ここまで紹介したパクリの音楽に自分は腹を立てないし、むしろパクリだとしても好きな音楽が多い。

そして、どのアーティストも確固たる地位にいるアーティストだ。

 

パクリと似た言葉としてオマージュという言葉がある。

 

オマージュ(仏: hommage)は、芸術や文学において、尊敬する作家や作品に影響を受けて、似たような作品を創作する事を指す用語である。(Wikipediaよりら)

 

パクリをしても許されているミュージシャンも存在はする。

実際今回紹介したアーティストもパクリだと言われてもそれほど叩かれてもいない。
週刊誌で話題になることもない。

それは、パクリ先の音楽への愛情やリスペクトを感じるからだろう。
奥田民生がビートルズを引用しても、ビートルズを愛していることは曲を聴けばビートルズファンにも伝わるし、ミスチルがコステロの物まねをしても、コステロへのリスペクトはコステロファンにも伝わる。

そして、元ネタがあったのとしても、そのアーティストのオリジナリティは感じる作品になっている。
くるりも聴けばくるりの曲だとわかるし、小沢健二やサザンのも前奏だけでオザケンやサザンであることがわかる。

本人達の才能や実力、オリジナリティがあった上でら引用元へのリスペクトや愛があった場合はオマージュとして音楽ファンに認められるのだろう。

 

日産のCMのパクリは何がダメなのか?

そして、最初に紹介した、H ZETT Mの曲をパクった日産のCM曲だが何が問題だったのかについて。

それは、オマージュではなくただのパクリだったからだろう。

 

もしかしたら、日産のCM曲を作った作曲家はリスペクトの意味を込めたオマージュのつもりだったかもしれない。

しかし、曲を聴いたリスナーはそれをオマージュだと感じなかった。

曲を聴いて、H ZETT Mへのリスペクトや愛を感じなかったのだろう。

そして、聴いた人がH ZETT M側に問い合わせをして本人の耳にも入った。

本人はパクられたことに対して、冷静ではあるが怒っている。

 

そのため、オマージュだったとしたら失敗だし、ただのパクリだとしたらアウトだという話になってくるのだ。

 

法律的に言うと、オマージュは著作権侵害のグレーゾーンだ。

元ネタの著作権の所持者やリスナー(受けて)の判断に委ねられており、著作者がパクリと言っても、必ずしも著作権侵害にあたるわけでもない。

 

しかし、自分はオマージュをしてくれるミュージシャンのおかげで様々な音楽を知ることができた。

聴く音楽の幅も広がった。

「これは〇〇のオマージュだな(笑)」と思いながら曲を聴いてみるのもなかなか楽しいですよ。

個人的には、パクリは許せないが、オマージュに関しては肯定したいなと思う。

 

そういえば、ケツメイシの新曲のジャケットが音楽も私生活もファンキーな方がいたグループのオマージュですね(笑)👇