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back numberとフジファブリックは似てる‐高嶺の花子さんと花屋の娘の歌詞の意味を考察と解釈‐

Hatena Feedly

back number(バックナンバー)について

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ここ数年もっとも人気が上昇し、ロックファンだけでなく一般層にも浸透したバンドは何かと聞かれたら、多くの人がback number(バックナンバー)と答えるだろう。

テレビドラマの主題歌になったりCMでも使われたりと、老若男女、多くの人々に存在が知られるようになった。

2011年にシングル”はなびら”でメジャーデビューし、2枚目のシングル曲”花束”で注目されてから、ずっと人気が右肩だ。 

2016年末に発売されたベストアルバムは大ヒットし、今でもオリコンンランキングの上位に食い込んでいる。

 カラオケでも歌われることが多く、カラオケランキングでも上位の常連になっている。

 

アンコール(ベストアルバム)(通常盤)(2CD)

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フジファブリックについて

フジファブリックは2004年に桜の季節でメジャーデビューしたロックバンド。

 

メンバーの脱退や、フロントマンであり、ほぼ全ての楽曲の作詞作曲を手掛けていたボーカルの志村正彦急逝など、存続の危機もありながら、現在も残ったメンバーで活動を続けている。

最近は山田孝之ともコラボをしたりと、新しい試みにも挑戦している。

 

 志村正彦の作る曲や詩、声はとても特徴的で、大衆受けはしなかったかもしれないが、今でも過去のフジファブリックの曲を聴いてファンになる人も多く、一度はまると抜け出せない中毒性のある曲や歌詞を作るソングライターだった。

 

SINGLES 2004-2009

SINGLES 2004-2009

 

 

back numberとフジファブリックの共通点とは

 この二組、ぱっと思い浮かぶ共通点といえば、ロキノン系バンドであったということぐらいに感じる。

 

どちらかというと、back numberは、大衆に好まれるJ-POPに近い多くの人に愛される曲を作るバンドで、志村のいた頃のフジファブリックは特に、コアな音楽ファンに愛されるような個性的なバンドだ。

 

しかし、この二組には共通点や近いものがある。

というか、back numberのソングライターである清水依与吏とフジファブリックのソングライターの志村正彦に共通点がある。

 

この二組は、近いテーマの曲を作っているのだ。

 

高嶺の花子さんと花屋の娘

 ↓画像クリックで動画が開きます。


back number - 高嶺の花子さん

 

ベストアルバムにも収録されている、back numberの代表曲の一つでもある”高嶺の花子さん”

自分には手の届かないような高嶺の花である女性に恋をして、その女性との日々を妄想している様子を歌っている。

 

最初から最後まで妄想をしていて、妄想で終わる歌詞だ。

 

 

 

花屋の娘

花屋の娘

  • フジファブリック
  • ロック
  • ¥150
  • provided courtesy of iTunes

 

こちらはフジファブリックの”花屋の娘”という曲。

インディーズ時代に発売したミニアルバム、”アラモード”の1曲目に入っているアルバムのリード曲でもある。

 

こちらもback numberの高嶺の花子さんと同様に、手の届かない女性との恋愛を妄想している歌詞。

 

こちらも、最初から最後まで妄想をしていて、妄想で終わる曲だ。 

 

アラモード

アラモード

 

 この2曲、手の届かない女性に対して妄想をするという歌詞である部分に、共通点がある。

そして、清水と志村ともに、女性に対して、少しこじらせていることがわかる

 

しかしだ、この2曲、テーマは似ているが決定的な違いがある。

次は、その違いについて説明していく。

 

健全な片思いをするback number

”高嶺の花子さん”の歌詞を読んでいくと、Aメロの歌詞で歌の登場人物である主人公とヒロインの関係性がわかる。

 

君から見た僕はきっと ただの友達の友達

たかが知人Bに向けられた 笑顔があれなら恐ろしい人だ 

 

この歌詞から、主人公とヒロインは知人だが、そこまで深い接点はなく、”知人B”というただの知り合いということがわかる。

そこから妄想が始まる。

 

海に誘う勇気も車もない

でも見たい 隣で目覚めて おはようと笑う君を 

 

ドライブデートに行く妄想をしたり、

 

君の恋人になる人は モデルみたいな人なんだろう

そいつはきっと君よりも年上で

焼けた肌がよく似合う洋楽好きな人だ 

 

キスをするときも君は背伸びしている

頭を撫でられ君が笑います

駄目だ何一つ勝てやしない

いやまてよそいつ誰だ

 

いるかわからない彼氏について、ビーチボーイズに出ていた竹野内豊や反町隆史のような彼氏がいると妄想して、勝ってに嫉妬したり。

 

真夏空の下で震えながら君のことを考えます

好きなアイスの味はきっと

 

好きなアイスが何なのかという妄想をする。

なんかかわいい。

 

こんな感じで、ずっと妄想をこの主人公はしているわけです。

でもね、不思議と「この主人公は気持ち悪くて変な奴だな」とは思わない。

むしろ、妄想ばかりしてる曲なのに、さわやかにさえ聞こえてくる。

 

それはなぜなのか?

 

ポップなメロディや明るいアレンジもあるとは思うが、歌詞にリスナーは共感してしまうからだ。

片思いをしたことある人は、きっと好きな相手に対して、多少の妄想はしたことあるだろう。

誰しもが、”異性に対してこじらせてしまった時期”はあるだろう。

だから、”高嶺の花子さん”の歌詞に共感をしてしまうのだろう。

 

歌詞で共感させる表現としてback numberの高嶺の花子さんは新しくもあるが、目の付け所が鋭いと感じる。

 

ストーカーのようで不気味なフジファブリック

では、フジファブリックの”花屋の娘”はどうだろう。

back number同様に歌詞を読んでいこう。

まずはAメロから。

 

夕暮れの路面電車 人気はないのに座らないで外見てた

暇つぶしに駅前の 花屋さんの 娘にちょっと恋をした

 

出だしからなんかおかしい。

 

まず、人が殆ど乗っていない路面電車で座らないで外を見てることから、この主人公が少し変わり者であることがわかる。

そして、この歌の主人公はヒロインである”花屋で働く娘”とは接点がないのだろう。

接点がないからと言って、一目ぼれなどではなく、好きになったというわけけではなく、”暇だから”花屋で働く女性に恋をする妄想をするのだ(しかもちょっとだけ恋をするという・・・・・・)

 

そして、次の妄想の歌詞がこちら。

 

その娘の名前を菫(すみれ)と名づけました

 

やはり、名前すら知らない女性のようだ・・・・・・

 

妄想がさらに膨らんで

二人でちょっと公園に行ってみたんです

かくれんぼ とおせんぼ

ブランコに乗ったり追いかけっこしたりして 

 

妄想のデート内容が、まるで小学生の女の子が友達と遊んでいるような内容だ。

 

花屋で働いているということは、少なくとも社会人か、学生でも高校生以上なので公園に行ってかくれんぼなどをすることはない。

しかし、この歌の主人公はそれなりにいい年の女性と小学生がやりそうな遊びをやりたがっているのだ。

 

 

こんな感じで最初から最後まで妄想をしている歌詞。

 

楽曲のアレンジがピアノの音から始まり、全体的にダウナーな雰囲気なのと、志村節とも言える怪しげなメロディと歌声とこの歌詞が合わさって、不気味さに拍車をかける。

 

back numberと同じように女性に対しての妄想を歌っているにも関わらず、そこにさわやかさのかけらもなく、ひたすら不気味。

しかし、その不気味な雰囲気や独特な表現がカルト的な人気も呼び、フジファブリックの楽曲や志村というソングライターに魅了されてしまうのだ。

 

最初はとっつきにくいかもしれないが、聴いていくうちに抜け出せなくなるほどはまってしまう音楽。

それがフジファブリックの音楽なのだ。

 

そして、なにより、世の中には心のどこかで志村のような妄想をしたことある人がたくさんいるからこそ、ファンが多いのかもしれない。

 

で、結論は?

今回のエントリーで言いたかったことは、back numberやフジファブリックをさらしたり、どちらかを極端に賞賛したかったわけではない。

 

言いたかったことは、同じようなテーマでも、少しのテーマのずれや、表現の違いで、これだけ違う内容に感じるということだ。

 

それが音楽の面白さでもあり、歌詞を聴いて面白いと思える部分だと思う。

 

ぜひこの2組の音楽を聴き比べて、表現の違いの面白さを感じてもらいたい。

 

 ちなみに、自分はフジファブリックの歌詞に共感してしまう部分がある。

もしかしたら、自分の心の中にも、もう1人の”不気味な人格”があるのかもしれない・・・・・・

SINGLES 2004-2009

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